住友生命保険が「健康」「予防」をテーマに、生命保険の契約者以外へのサービスに力を入れている。少子高齢化で国内市場が縮小する中、「非保険」領域に事業を広げる一環だ。高田幸徳社長に、生保会社の今後のあり方を含めて考えを聞いた。
――社員に対して「生命保険を中心に考えるな」と伝えていると聞きます。
「生命保険という小さな領域だけだと、サービスや商品開発が狭くなります。顧客が望むピンポイントのものは何なのかを検討してほしい。そのためには我々だけでなく、スタートアップ(新興企業)などのサービスと組み合わせることも重要です。昨年、その一環として、重症化予防サービスを提供する企業を買収しました」
――昨年には、健康診断の受診や運動量に応じてポイントがたまる健康増進サービス「バイタリティー・スマート」を始めました。保険の契約者でなくても利用できるのが特徴です。
「生命保険は差別化が非常に難しい商品です。これまで業界は、営業職員や代理店など契約者への接点で差別化を図り、競ってきました。しかし、人口が減る中、非保険領域のサービスを押さえにいく動きが活発化しています。我々は、経済的な備えだけでなく、予防や改善の領域で顧客とのグリップを強めることに取り組んできました」
「バイタリティー・スマート…